ハンドパンとタングドラム・ハング・スチールパンの違い早見表|構造・価格・重さ
目次
ハンドパン(handpan/楽器)、タングドラム、Hang(ハング)、スチールパンは、どれも鋼を叩いて音を出す打楽器ですが、生まれた場所も構造も値段もちがいます。ひと言でいえば、ハンドパンとHangは「鋼の殻を2枚合わせた中空の楽器を手で叩く」もの、タングドラムは「切り込みで作った舌(タング)を叩く」もの、スチールパンは「ドラム缶から生まれた楽器をスティックで叩く」ものです。
ハンドパン・タングドラム・ハング・スチールパンの違いとは?
4つの違いとは、ハンドパンが手で叩く鋼の楽器の総称、HangがPANArt社の楽器名と登録商標、タングドラムが舌状の切り込みを叩く楽器、スチールパンがトリニダード・トバゴ生まれのスティックで叩く楽器、という点です。
価格は2026-10-22に各販売ページで取得しました。円換算は同日朝の相場(1ドル=約158円、1ユーロ=約178円)で計算しています。
| 項目 | ハンドパン | タングドラム | Hang(ハング) | スチールパン |
|---|---|---|---|---|
| 起源 | Hangをもとに各地の職人が作り始め、「handpan」がこの種の楽器の総称になった | 木製のスリットドラムが原型。2007年にプロパンガスのタンクで作られた例が知られる | 2000年、スイス・ベルンのPANArt(フェリックス・ローナー氏、ザビーナ・シェーラー氏)が開発。2001年に見本市で発表 | 1930〜40年代のトリニダード・トバゴ。1947年ごろから55ガロンのドラム缶で作られる |
| 構造 | 薄い鋼板2枚を縁で貼り合わせた中空のボディ | 厚い鋼の胴に、放射状の切り込みで「舌」を作る | 上面は中央の音と、それを囲む7〜8のトーンフィールド(音の区画)。底面は穴のあるGu | 200リットル級の工業用ドラム缶から作る |
| 叩き方 | 指先や指の腹で直接叩く | マレット(ばち)が一般的。指でも叩ける | 手で叩く | 先端にゴムを巻いたスティック2本(4本の奏者もいる) |
| 音の並び | 1台ごとにスケールが固定 | 舌ごとに音が決まる(切り込みの長さなどで調律) | 標準はD3/A3・B3・C4・D4・E4・F4・A4 | 半音階(クロマチック) |
| 価格帯(2026-10-22取得) | 国内工房の9音で¥190,000〜¥327,800、海外工房は約31.6万〜92.6万円 | 国内通販の一般品は¥1,558〜¥14,800、RAV Vastは$750〜$1,099(約11.9万〜17.4万円) | PANArtでCHF 2,500(スイスの付加価値税8.1%、ケース込み) | テナーパン¥202,400〜¥248,050、ミニパン¥26,400 |
| 重さの例 | Meinl Sensory D Kurd 10音(22インチ)で4,685g | RAV Vast B Kurd(20インチ)で6.3kg | 公式の重さ表示は確認できず(直径約52cm・高さ約24cm) | テナーパン(23インチ)で7kg(ケースは別に5kg) |
ハンドパンとタングドラムはどう違うのですか?
いちばんの違いは構造です。ハンドパンは薄い鋼板2枚を貼り合わせたもので、タングドラムは厚い鋼の胴に切り込みを入れて「舌」を作ります。
ハンドパン販売店Sound Sculptureの比較記事(2026年7月更新)は、次のように整理しています。
- 叩き方:ハンドパンは指の腹で直接叩き、タングドラムは多くの場合マレットで叩く
- 音:ハンドパンは基音にオクターブと5度の倍音を重ねるよう調律される。タングドラムは鐘のような音で、余韻は長いが立ち上がりはゆっくり
- 価格(ヨーロッパ):ハンドパンは€900〜5,000、タングドラムは€900を超えることはまれ
国内の通販では、タングドラムはもっと手ごろです。Yahoo!ショッピングで「タングドラム」と検索すると、上位20件は¥1,558〜¥14,800でした(2026-10-22取得)。上位の価格帯ではRAV Vastがあり、公式ストアの価格は$750〜$1,099です(セール価格を含み、定価は$1,099)。ハンドパンに似たドーム形ですが、RAV自身は「steel tongue drum(スチールタングドラム)」と呼んでいます。
注意したいのは、名前が混ざって売られていることです。Yahoo!ショッピングで「ハンドパン」と検索すると、上位20件のうち5件は商品名に「タングドラム」「スリットドラム」などの語も入っていました(2026-10-22取得)。見分け方はハンドパン購入前チェックリストで解説しています。
ハングドラムとハンドパンは同じものですか?
同じではありません。Hang(ハング)はスイスのPANArtが作る楽器の名前で、PANArtの登録商標です。ハンドパンは、Hangをきっかけに生まれた、似た構造の楽器の総称です。
「ハングドラム(hang drum)」という呼び名は広く使われています。ただし、開発者のローナー氏とシェーラー氏は、この呼び方を誤りと考え、使わないよう求めています。PANArtは公式サイトで「他社の楽器が『hang drum』として売られることがあり、Hangの商標の侵害にあたる」と述べています。米国の工房Isthmusも、もともとのPANArtの楽器が「Hang drum」と呼ばれることが多く、その後ほかの製作者が作るようになって「Handpan」が総称になったと説明しています。
当サイトでは、「Hang」「ハング」はPANArtの楽器だけを指して使います。ほかの工房の楽器は「ハンドパン」と書きます。
Hangの現状も押さえておきましょう。
- 2013年に、PANArtはHangの製作を終えると発表しました(Wikipediaより)
- 2026-10-22時点のPANArt公式サイトでは、レンズ形のHangを「今もPANArtの調律師が製作している」と案内しています。価格はCHF 2,500(ケース・クリーニング液、スイスの付加価値税8.1%込み)で、購入前に問い合わせて相談するよう勧めています
- PANArtは、膝にのせて手で鳴らす「Hang Balu」(1台CHF 2,500)なども作っています
- PANArtの発表によると、2024年7月2日にスイス・ベルン州の最高裁判所(Supreme Court of the Canton of Berne)が、Hangを著作権で保護される作品と認めました
スチールパンとハンドパンの違いは?
スチールパン(スティールパン)は、トリニダード・トバゴで1930〜40年代に生まれた楽器です。ハンドパンとちがい、ゴムを巻いたスティックで叩き、半音階で演奏できます。1992年に当時の首相が国の楽器(national instrument)と宣言し、2024年には議会でも正式に認められました。
| 比べる点 | スチールパン | ハンドパン |
|---|---|---|
| 叩くもの | スティック | 手・指 |
| 音の並び | 半音階。テナー、ギター、ベースなどの種類で音域を分ける | 1台ごとにスケールが固定 |
| 国内価格の例(2026-10-22取得) | PANLANDのハイテナー¥202,400〜¥222,200、ローテナー¥247,500〜¥248,050、Jumbie Jam卓上キット¥42,735(SOAR SOUND) | 国内工房の9音で¥190,000(USHIPAN)〜¥327,800(響楽舎) |
| 重さの例 | トリニダードのMITTCOのテナーパンは7kg | 4,685g(Meinl Sensory) |
値段と重さで比べると、どれを選べばいいですか?
「何で叩きたいか」と「どんな音楽をやりたいか」で選ぶのが近道です。
| こんな人に | 向いている楽器 | 理由 |
|---|---|---|
| 手で叩いて、決まったスケールで即興したい | ハンドパン | 1台ごとにスケールが固定され、指で直接叩く |
| まず数千円から金属の音にふれたい | タングドラム | 国内通販で¥1,558〜¥14,800の価格帯がある |
| ほかの楽器と合わせて、曲のメロディーをそのまま弾きたい | スチールパン | 半音階で演奏できる |
| PANArtの楽器そのものがほしい | Hang | PANArtに直接問い合わせて購入する |
ハンドパンの値段は値段相場2026、工房ごとの価格や納期はメーカー一覧2026にまとめています。ハンドパンの構造はハンドパンとはで詳しく解説しています。ココカラハンドパンが東北で準備している体験会では、本物のハンドパンを手で鳴らせます。
よくある質問
タングドラムで練習してからハンドパンに移れますか?
音階やリズムの練習にはなります。ただ、タングドラムはマレットで叩くことが多く、ハンドパンは指の腹で叩くので、叩き方はそのまま同じではありません。
「ハングドラム」という商品はPANArtのHangですか?
商品名だけでは判断できません。PANArtは、他社の楽器が「hang drum」として売られることがあり、商標の侵害にあたると述べています。Hangがほしい場合は、PANArtに直接問い合わせてください。
スチールパンを手で叩いてもいいですか?
スチールパンは、先端にゴムを巻いたスティックで叩く楽器です。手で叩くことを前提にしたハンドパンとは、演奏方法がちがいます。
いちばん安く始められるのはどれですか?
今回調べた中では、タングドラムの小型モデルがいちばん安く、国内通販では3インチ・6音のミニタイプが¥1,650からありました(2026-10-22取得)。ハンドパンの新品は、国内工房の9音で¥190,000からです。
出典・参考リンク
- Hang (instrument) - Wikipedia(2026-10-22取得)
- PANArt: Hang(サウンドスカルプチャー)(2026-10-22取得)
- PANArt: Hang Balu(2026-10-22取得)
- PANArt: Copyright – Questions and Answers(2026-10-22取得)
- Isthmus Instruments: Handpan FAQ(2026-10-22取得)
- Sound Sculpture: Handpan vs tongue drum(2026-10-22取得)
- Steel tongue drum - Wikipedia(2026-10-22取得)
- Steelpan - Wikipedia(2026-10-22取得)
- RAV Vast B Kurd(RAV公式ストア)(2026-10-22取得)
- RAV公式サイト(2026-10-22取得)
- Meinl公式ショップ: Sensory Handpan D Kurd 10(HPSTL100)(2026-10-22取得)
- MITTCO: Tenor – Chrome Plated(2026-10-22取得)
- SOAR SOUND: スチールパン(2026-10-22取得)
- Yahoo!ショッピング「タングドラム」検索結果(2026-10-22取得)
- Yahoo!ショッピング「ハンドパン」検索結果(2026-10-22取得)
- ハンドパン工房USHIPAN: オーダー(2026-10-22取得)
- 響楽舎 公式ショップ(2026-10-22取得)
- Ayasa Instruments: D Kurd 13(2026-10-22取得)
- 為替相場 22日(共同通信・新潟日報)(2026-10-22取得)